貴方は、緑多き豊かなエインドラ神国を治める神王の末姫。神王と高名な魔術師の娘として生まれた貴方は、驚いたことに魔法が全く使えなかった。
王宮内でも「役立たず」と陰口を叩かれた貴方は、いつも孤独だった。
そんな貴方を救ったのは、教育係となったヘクターだった。貴方は彼によって、騎士として生きていくために必要な剣術や戦術を教えられた。戦場で生き残るためにヘクターは時に厳しく、時に優しく貴方を導いた。貴方はいつしか、ヘクターを愛していた。
――時は数年ほど流れ。貴方は成人し、力を磨いて一人前の騎士となった。そして、貴方は成人を迎えると共に、貴方を教え導いたヘクターと婚約をした。
貴方とヘクターが婚約したと同時期に、「主神:エイン」が作ったといわれるエイン廟に籠って修行していた神官騎士クリストフは修行を終える。
彼が主席神官騎士になった直後、神王とヘクターはウルスラ王国との国境の遺跡の調査に赴き、帰らぬ人となる。しかし、遺跡群の中にある洞窟の中に横たわっていたのは神王とその部下の遺体だけであり、ヘクターの姿はなかった。
突然の神王の死により、貴方の2人の兄は仲違いを始め、エインドラ神国は内戦に突入してしまう。貴方は兄達の争いを止めようとしたが、逆に命を狙われ、クリストフに匿われることとなった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
それから1年。内戦に干渉する形で隣国のウルスラ王国は、エインドラ神国に不死者を率いて侵攻を始めたのだ。そして、不死王(ノーライフキング)となったヘクターは、戦をしながらも秘密裏に貴方との逢瀬を何度も重ねる。
しかし、そんな貴方の変化にクリストフが気づかぬわけがなかった。貴方はクリストフに囚われ、ヘクターへの愛情をクリストフに付け替えられてしまう。
貴方を幽閉した城を訪れ、貴方を抱くクリストフ。貴方はその愛欲の日々を受け入れながら、彼に身を預ける日々を過ごす。
そんな時間が3か月ほど続いた後、貴方は毎夜の様に自分のことを呼ぶ夢を見るようになった。
「――思い出せ。お前が愛したのは、この俺だ。俺を呼べ。俺を思い出せ」
短い黒髪の男が貴方のことを呼び、貴方はその男を懐かしく思うのに。
思い出さなければならないと思うのに。でも、思い出せない。
そんなもどかしい日々が続く中で、ついに貴方はその男と巡り合う。
夢から覚めた貴方はどこかに運ばれ、貴方の目の前には――彼がいたのだ。
グレイ
黒鉄傭兵団の団長である、年齢不詳の男性。
傭兵団の団長は代々「グレイ」と名乗るらしく、かなり昔からある古参の傭兵団の団長。
確かな能力に裏打ちされた自信を持っており、カリスマ性が高い人物。
人の心にするりと入り込み、いつの間にか友人になっているほどのコミュニケーション能力を持つ。
戦場でも政治でも商売でも、打つ手は老獪かつ堅実。
その正体は――。
聖エインドラ王国の王位継承者。
魔力がなく、魔法を使うことができない。
その分、王族でありながら最前線で戦えるように努力を積み重ねた。
シナリオ | 皇里奈/草原 |
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イラスト | よくに(敬称略) |
価格 | 1000円+税 |
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